Title (English / 日本語)
Running Technique is an Important Component of Running Economy and Performance
ランニング技術はランニングエコノミーおよびパフォーマンスの重要な要素である
Journal Name & Publication Year / 雑誌名・出版年
Medicine & Science in Sports & Exercise, 2017年
First and Last Authors / 第一および最終著者
Jonathan P. Folland, Stephanie E. Forrester
First Affiliations / 第一所属
School of Sport, Exercise and Health Sciences, Loughborough University, Loughborough, UNITED KINGDOM
Abstract / 要旨
この研究では、ランニング技術がランニングエコノミー(RE)およびパフォーマンスとどのように関連しているかを明らかにすることを目的とした。97人の長距離ランナー(女性47名)がトレッドミル上での増加負荷プロトコルを実施し、3D全身運動計測、呼吸ガス、乳酸ターンポイント速度(vLTP)を測定。骨盤の垂直変動(身長で正規化)、地面接地時の膝関節最小角度、骨盤の最小水平速度の3つの変数でLEc(移動エネルギーコスト)の39%を、骨盤最小水平速度、脛接地角、デューティーファクター、体幹前傾の4変数でパフォーマンスの31%を説明できた。特定のストライドパラメータと下肢角度がパフォーマンス向上に重要であると結論づけた。
Background / 背景
ランニングは自由度の高い動作であり、個人差が大きい。これまでの研究では、ランニング技術とパフォーマンスやREとの関係について一貫した結果が得られていなかった。本研究では、詳細かつ大規模な運動計測を通してこの関係を明らかにする。
Methods / 方法
・参加者:97名の長距離ランナー(29名はエリート)
・測定内容:3Dモーションキャプチャ、呼吸ガス分析、vLTP、エネルギーコスト(LEc)
・分析:24のキネマティック変数(5カテゴリ:垂直振動、ブレーキング、姿勢、ストライド、下肢角度)を評価。速度は10~12 km/hに限定。パフォーマンスは性別に基づくzスコアに変換した10kmのシーズンベスト(SB time)で評価。
Results / 結果
・LEcと有意に相関したキネマティック変数:19個
・SB timeと相関:11個
・LEcの39%は「骨盤の垂直振動($zPGC,H)、接地中の膝関節最小角度(xKAGC,MIN)、骨盤最小水平速度(VyPMIN)」で説明可能
・SB timeの31%は「VyPMIN、脛接地角(xSATD)、デューティーファクター(DF)、体幹前傾角(xTAMEAN)」で説明可能
Discussion / 考察
・骨盤水平速度の低下(ブレーキング)がREとパフォーマンスに悪影響
・垂直振動が大きいとエネルギー効率が悪化
・体幹の安定性(姿勢)が重要で、前傾姿勢はパフォーマンスに寄与
・ストライドは短く、DFが低いほど良好な結果
・膝・股関節の可動域が大きすぎると非効率
・「膝を高く上げる」などの伝統的な指導は見直しが必要な可能性あり
Novelty compared to previous studies / 先行研究との新規性
・過去最大規模の被験者数(n=97)
・精密な3Dモーションキャプチャとエネルギーコスト同時測定
・ランニング技術がREとパフォーマンスに与える影響を定量的に初めて明らかにした
・パフォーマンスに貢献する特定の技術変数を同定
Limitations / 限界
・10–12 km/hという中速域での測定であり、レースペースとは異なる
・因果関係は証明されておらず、相関に基づく
・外的条件(路面、疲労など)は考慮されていない
Potential Applications / 応用可能性
・コーチやアスリートがパフォーマンス向上のために着目すべき技術要素を提供
・ランニングフォーム改善や技術トレーニングへの応用
・今後の技術介入研究の基盤となる