上殿皮神経(Superior cluneal nerves)の解剖

上殿皮神経(Superior cluneal nerves)は腰部や臀部の痛みに関わっている要因の一つであると考えられているが、その解剖学的構造の複雑さから曖昧な部分が多い。

 

上殿皮神経(Superior cluneal nerves)は下の図のように、すべての上殿皮神経は、腰椎上位3神経(L1〜L3)、L1〜L3の脊髄神経の後枝から分岐する。

※水色で強調した神経が、上殿皮神経。

※水色で強調した神経が、上殿皮神経。

上殿皮神経は常に大腰筋と脊柱起立筋(傍脊柱筋)を通過しており、これらの神経はすべて、腰方形筋の後方、すなわちこの筋と胸腰筋膜の前層との間の層に位置している1)。

 

臨床的アイデアとしては、臀部上方のパルマーインディケーション(局所痛ではなく、手のひらで痛みの部位を示すこと)で痛みの部位を示すとき、この上殿皮神経領域の痛みを推測でき、上記の筋のストレッチやマッサージ、筋の収縮を促し、末梢神経の滑走や保護も重要ではないかと考える。

 

 

 

 

 

参考文献:

1) Tubbs RS, Levin MR, Loukas M, Potts EA, Cohen-Gadol AA. Anatomy and landmarks for the superior and middle cluneal nerves: application to posterior iliac crest harvest and entrapment syndromes. J Neurosurg Spine. 2010 Sep;13(3):356-9. doi: 10.3171/2010.3.SPINE09747. PMID: 20809730.

© 2025 解剖と動きの研究所 Powered by AFFINGER5