タイトル(英語・日本語)
Effects of shoe heel height on ankle dynamics in running
ランニングにおける靴のヒール高が足首の動力学に与える影響
ジャーナル名・発行年
Scientific Reports, 2024年
第一著者・最終著者(英語表記)
Ali Yawar(第一著者)、Daniel E. Lieberman(最終著者)
第一所属機関(英語表記)
Department of Human Evolutionary Biology, Harvard University, Cambridge, MA, USA
概要(Abstract)
ランニングシューズのヒール高は足や足首のバイオメカニクスに影響を与え、怪我やパフォーマンスに関係する可能性がある。本研究では、ヒール高が6~26 mm異なるミニマルシューズを使用し、リアフットストライク(踵着地)ランナーの足首の動力学を分析した。
予測として、ヒール高が増すほど足首のフロンタルプレーンのトルクが増加すると考えられた。しかし、実験の結果、ミニマルシューズ(ヒールなし)ではトルクが増加し、その後ヒールが高くなるにつれて減少した。さらに、ヒール高が増すと踵着地時の足首の底屈速度(プランターフレクション速度)が大幅に増加した。
これらの結果は、ミニマルシューズでのランニングが裸足ランニングと異なり、シューズのデザインによる複雑な相互作用が影響することを示唆する。
背景(Background)
- 足首はランニング中に大きな力とモーメントを伝達し、推進力の大部分を生み出す。
- 近年のランニングシューズは多様なヒール高を持ち、裸足ランニングと異なるバイオメカニクスをもたらす可能性がある。
- ヒール高がフロンタルプレーンとサジタルプレーンの足首の動きにどのように影響を与えるかは十分に研究されていない。
本研究では、ヒール高の違いがランニング中の足首の安定性と動力学に与える影響を調査した。
方法(Methods)
被験者
- 8名のリアフットストライクランナー(男性6名、女性2名)
- 平均年齢 29.5±7.1歳、体重 82.9±14.4 kg、脚の長さ 0.92±0.06 m
- 直近で足の怪我のない健康な成人
実験条件
- ランニング速度: Froude数=1(約3.0 m/s)
- 靴の種類:
- 裸足
- ヒールなしのミニマルシューズ(ソール厚6 mm)
- ミディアムヒールのミニマルシューズ(追加6 mmのヒール、高さ12 mm)
- ハイヒールのミニマルシューズ(追加20 mmのヒール、高さ26 mm)
- 測定方法:
- モーションキャプチャシステム(200 Hz)
- 地面反力計測(2000 Hz)
- データ処理(MATLAB, Python使用)
結果(Results)
-
フロンタルプレーンの足首トルク
- 裸足 → ミニマルシューズ(ヒールなし): 10.6% 増加(p = 0.035)
- ヒールなし → ハイヒール: 32.6% 減少(p < 0.001)
- 裸足 → ハイヒール: 25.4% 減少(p < 0.001)
-
踵着地時の足首底屈速度(プランターフレクション速度)
- 裸足 → ハイヒール: 72.1% 増加(p < 0.001)
- 裸足 → ミディアムヒール: 41.9% 増加(p < 0.001)
-
踵接地時の足のフロンタルプレーンの角度変化(回内/回外)
- 裸足 → ヒールなし: 59.2% 回内(p < 0.001)
- ヒールなし → ハイヒール: 33% 回外(p < 0.001)
-
地面反力の変化
- 垂直方向の地面反力はヒール高が増加すると低下
- 裸足 → ヒールなし: 6.1% 増加(p = 0.001)
- ヒールなし → ハイヒール: 6.7% 減少(p < 0.001)
考察(Discussion)
- ヒールの高さが増すとフロンタルプレーンの足首トルクが減少し、ミニマルシューズでも裸足とは異なる動力学が生じる。
- 足の姿勢調整が地面反力の作用点を変化させ、足首への負荷を軽減する可能性がある。
- サジタルプレーンでは、ヒール高の増加により踵着地時の足首底屈速度が大幅に増加し、特定の筋肉(前脛骨筋)への負荷が高まる可能性がある。
先行研究との新規性(Novelty compared to previous studies)
- ミニマルシューズと裸足の違いを定量的に分析し、ヒールの影響が大きいことを実証
- 衝突モデルを使用して、足首の動きがヒール高に依存することを予測・実証
- 既存の研究と異なり、フロンタルプレーンとサジタルプレーンの両方を詳細に解析
限界(Limitations)
- ヒール素材が剛性が高く、一般的なシューズとは異なる可能性
- 被験者数が8名と少なく、大規模研究が必要
- 走行速度を固定しているため、個人の自然な適応が制限される
潜在的な応用(Potential Applications)
- ランニングシューズのデザイン改善(ヒール高の調整による足首負荷の最適化)
- ランナーの怪我予防(特に前脛骨筋の過負荷に関連する障害)
- 整形外科やリハビリ分野への応用(足首の安定性向上を目的としたシューズ設計)
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